10%ポイント還元は10%引きと同じか？

最近流行のポイント還元

10%ポイント還元と10%引き(1割引)は同じものではありません。実際、「××カメラでしか使えないポイント1,000円分」と、「現金1,000円」。どちらかをもらえるなら現金1,000円を選ぶ方が多いのではないでしょうか。

ポイントは××カメラでしか使えないから現金のほうがよい。
××カメラが倒産したらポイントは消えてなくなる。
ポイント払いではさらにポイントがつかない(のが一般的)が、現金払いならポイントがつく。

このようなちがいがあります。

ポイントの価値は実際どのくらい？

××カメラの1,000ポイント(1,000円相当の買い物ができる)はどの程度の価値があるのでしょうか。ここでは計算をしやすくするために、以下の例で考えます。

20,000円のプリンタと2,000円の用紙を買います。
××カメラでは購入額の10%のポイントを付与します。ただし、ポイントで支払われた分についてはポイントは付与しません。

まずプリンタと用紙を同時に買った場合で考えます。支払いは22,000円で、ポイントは2,200ポイント残ります。

次にプリンタを買ってから、そこで付与されたポイントで用紙を買った場合です。プリンタの支払いは20,000円でポイントは2,000ポイント付与されます。その2,000ポイントで用紙が買うと、結局20,000円でポイント残高は0になります。

上の例では支払い総額は2,000円多く、ポイント残高は2,200ポイント多くなりました。つまり、ポイントの価値は1ポイントあたり0.909091円(2,000円÷2,200ポイント)であると計算できます。回りくどくなりましたが、ポイント還元率が n[%] (n: 0～100) 、1ポイントで1円の買い物ができる場合、1ポイントの価値は n÷(100+n)×100[円]になります。

1%還元の場合、1ポイントの価値は0.990099円、つまりほぼ1円ですが、10%還元の場合は約0.91円、20%還元の場合は約0.83円の価値しかありません。高率ポイント還元の場合は特にポイント還元と現金還元(値引き)との差を意識したいものです。

ポイントカードの貯まったポイントの使い方に注意！

上の例では一律10%還元で計算しましたが、実際には商品によって還元率が異なる場合があります。そのような場合で、ポイントでの支払い分にはポイントが付かない場合には 「ポイント還元率の高い買い物で貯めて」「ポイント還元率の低い買い物で使う」とお得です。

例えば、100,000円(ポイント還元率5%)と、100,000円(ポイント還元率20%)の買い物をする場合を比較してみます。

5%還元の買い物でポイントを貯めて20%還元の買い物でポイントを使った場合：
- 5%の買い物のとき：　支払額100,000円・発生ポイント5,000(100,000円×5%)
- 20%の買い物のとき：　支払額95,000円(100,000円-ポイント5,000)・発生ポイント19,000(95,000円×20%)
- 合計支払額195,000円・ポイント残高19,000
20%還元の買い物でポイントを貯めて5%還元の買い物でポイントを使った場合：
- 20%の買い物のとき：　支払額100,000円・発生ポイント20,000(100,000円×20%)
- 5%の買い物のとき：　支払額80,000円(100,000円-ポイント20,000)・発生ポイント4,000(80,000円×5%)
- 合計支払額180,000円・ポイント残高4,000

違いは前者のほうが「合計支払額が15,000円多く、ポイントも15,000多く残る」です。しかし、15,000のポイントよりも15,000円が価値が高いことは前述の通りですから、後者のほうがお得ということになります。時期・商品によってポイント還元率が異なる場合、「ポイント還元率の高い買い物で貯めて」「ポイント還元率の低い買い物で使う」を徹底したいものです。 (倹約科学総合研究所主任研究員の場合、××カメラでは「パソコン周りのもの(ポイント還元率10%～18%が多い)の購入でポイントを貯めて」「書籍(ポイント還元率3%)などでポイントを使う」です。)

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