厚生労働省による献血カード化についての事前評価にツッコミを入れてみた(1/3)

厚生労働省のウェブサイトに献血手帳電子化事業事前事業評価書という文書がありましたので、じっくり考察をしてみましょう。「事前」の評価ですから当然、後で計画が変わることはあるとは思われますが、計画はいい方向に変わってもらいたいものです(棒読み)。

1. 事業の内容

(2) 事業の概要事業内容

現在紙製である「献血手帳」を磁気カード化し、パスワードによる照合を行うことによって本人確認の厳格化を図り、検査目的献血を防止するとともに、献血時の手続の簡素化及び献血履歴や血液検査記録の履歴管理など献血者サービスの充実を行い、献血者の利便性を向上させることにより健康な献血者をより一層多く確保することを目的として、日本赤十字社に対し、必要な関連機器類の整備、構築し、献血カードへの切り替えをすすめるための補助を実施する。

だそうです。実際のところは「え？そうなの？」という感じだと思います。

本人確認の厳格化を図り - これまでの「一度本人確認やったらあとは省略」というのが甘すぎただけではありませんか。厳格にしたかったら以前から献血受付時には身分証明書の提示を求めるなど、毎回本人確認しておけばないかと思います。
検査目的献血を防止する - 献血手帳が献血カードになったことで、どう防止できるのかさっぱりわかりません。献血カードでも献血手帳でも「検査目的献血」をする人はするし、しない人はしないのではと思います。
献血時の手続の簡素化 - 大した手間ではありませんが、暗証番号を入れる手間が増えましたが何か？　しかも一部の献血ルームは受付をしたあと、暗証番号を入力するためだけにわざわざ呼び出しをします。入力をしたら席に戻れと。そんなの受付のときにさっさとできるんじゃないんですか？　もしかして職員が楽をするという意味での「簡素化」でしょうか。
献血履歴や血液検査記録の履歴管理など献血者サービスの充実を行い - 何か充実しました？　次回献血可能日がカードに印字されるようになったのは充実と言えるかもしれませんが、献血会場独自に「次回献血可能日」を書いたメモを入れてくださるところも少なくなかったわけで、充実というほどのものですか？　過去3回分以外の履歴が残らないのは明らかに「履歴管理」の低下です。
献血者の利便性を向上させることにより健康な献血者をより一層多く確保することを目的として - 趣旨や計画はともかく、献血カードになったから献血するっていう人はいるんですか？　献血カード自体がほしいという人はいるかもしれませんが。

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